文書作成日:2023/06/08
介護現場でのテクノロジー活用
介護現場での職員の負担軽減や人手不足解消のために、介護ロボットやICT機器の活用が注目されています。実際にどの程度、これらの利用は浸透してきているのでしょうか? 厚生労働省の調査結果(※)を見てみましょう。
調査では対象事業所を「訪問系」「通所系」「入所・泊まり・居住系(以下、入所系)」に分け、導入状況を集計しています(表1)。
■表1:介護ロボットの導入済み割合
訪問系 | 移乗支援機器 | 0.9% |
通所系 | 移乗支援機器 | 1.3% |
移動支援機器 | 0.9% | |
排泄支援機器 | 0.1% | |
入浴支援機器 | 8.8% | |
介護業務支援機器 | 4.9% | |
入所系 | 移乗支援機器 | 9.7% |
移動支援機器 | 1.2% | |
排泄支援機器 | 0.5% | |
見守り支援機器 | 30.0% | |
入浴支援機器 | 11.1% | |
介護業務支援機器 | 10.2% |
入所系では、見守り支援機器が3割、入浴支援機器と介護業務支援機器、移乗支援機器は約1割の事業所で導入されています。見守り支援機器を導入した事業所の69.7%が「職員の精神的・肉体的負担軽減」を、また66.2%が「ヒヤリハット・介護事故の防止」を効果として実感しています。
一方で、記録業務での入力端末については、デスクトップなどの据え置き型端末が主流ではあるものの、モバイル端末も約半数の事業所で導入されています。また、会議・カンファレンス等の開催・参加でも約6〜7割の事業所が端末を使用していることが分かりました(表2)。
■表2:ICT機器の利用状況
入力端末(記録業務) | 会議・カンファレンス等の 開催・参加 |
|||
据え置き | モバイル | 据え置き | モバイル | |
訪問系 | 76.2% | 46.5% | 52.5% | 34.8% |
通所系 | 71.9% | 43.9% | 41.1% | 26.8% |
入所系 | 72.3% | 52.9% | 39.9% | 34.3% |
令和5年度もICT導入支援事業や介護ロボット導入支援事業により、導入には補助金が活用できます。すでに公募が始まっている都道府県もあります。詳細は各都道府県のホームページでご確認ください。
(※)当記事は、厚生労働省の分科会で報告された以下の調査結果をもとに作成しています。
参考:
厚生労働省「介護現場でのテクノロジー活用に関する調査研究事業(結果概要)(案)」
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。
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